車の引越しに伴う手続きとは?怠った場合の罰則や廃車にする方法も紹介

車の引越しに伴う手続きとは?怠った場合の罰則や廃車にする方法も紹介
大手の引越し料金と比較すると単身引越しナビなら最大67%安い!
  • A社 約67%OFF
  • B社 約50%OFF
  • C社 約20%OFF
summary
  • 車の引越しは自力で運ぶか輸送業者に依頼する、引越し業者に運んでもらう方法の3種類です
  • 車の引越しを業者に依頼するにはいくつかの注意点があります
  • 車の引越しでは免許証や車検証などの住所変更手続きが必要であり、忘れると罰則の対象になります
  • 引越しの際に車を廃車する場合は、必要な書類を揃えなければなりません

引越しで運ばなければならないものは、家具やダンボールだけではありません。車も引越しのときには何らかの手段で新居まで運ぶ必要があります。また、車の引越しは、ただ移動させただけで終わらない点に注意。必要な手続きを踏んでおかなければ、法律で罰せられる可能性もあるのです。

今回は、車の引越し方法と注意点、引越しに伴って発生する車関係の手続きについて、詳しく解説します。車の引越しについて不明な点がある人は、ぜひ参考にしてください。

車の引越しをおこなう方法

車の引越しと言われても、どのような手段で引越しさせるのかイメージできない人もいるでしょう。車を運ぶための方法は3つあり、そのなかからもっとも都合の良い方法を選ぶことができます。具体的な選択肢は次の3つです。

【車の引越しをおこなう方法】

  • 自分で車を運転する
  • 輸送の専門業者に依頼する
  • 引越し業者に依頼する

それぞれの方法にはメリットとデメリットが存在します。それらを踏まえて、どの方法で車の引越しを行うのかを検討してください。

自分で車を運転する

車の引越しでもっともオーソドックスな方法が、自分で新居まで運転する方法です。ガソリン代と有料道路や高速道路料金以外は不要で、自身の手荷物も一緒に運ぶことができます。費用も手間もかからないため、車を持っている人からすれば真っ先に候補にあがる選択肢でしょう。特に近距離の引越しは、あとに紹介する方法よりも大幅に輸送費用が削減できます。

しかし、長距離引越しの場合はデメリットもあります。引越し先にもよりますが、ガソリン代のほかにも高速道路料金が多くなるため、結果的に費用がかさんでしまうでしょう。また、予期せぬ渋滞で時間が大幅に遅れてしまうと、引越しそのものに影響が出る可能性も。

なにより長距離移動で疲労がたまり、交通事故を起こしてしまうリスクも高まってしまいます。長距離を自分で運転する場合は、適宜休憩をとりつつ、荷物の搬入に間に合うよう安全運転を心がけてください。

輸送の専門業者に依頼する

「陸送」と呼ばれる方法、つまり車の輸送を専門にしている業者に車の引越しを依頼する方法があります。電話やメール、FAXで申し込みをし、料金を支払うことで車を目的地まで運んでくれる業者です。近距離で利用するメリットはあまりありませんが、長距離引越しの際に発生する疲労や時間のロスを考えずに済みます。

一方で、引越し業者とは別で依頼をかける必要があるため、手間がかかってしまうデメリットがあります。また、車内の荷物によっては輸送に対応できない場合もあるため、事前に確認してください。事前に下ろすことができる荷物があれば下ろしてしまうのも良いでしょう。ただ、その場合は別途荷造りをしなければなりません。

引越し業者に依頼する

引越し業者のなかには、オプションで車の引越しを行ってくれるところもあります。ほかの引越し荷物と一緒に輸送の申込みができるため、車だけ別で申し込む必要がありません。ほかの手続きをせずに済むため、浮いた時間を荷造りなどの時間にあてられるのも大きなメリットと言えるでしょう。

ただし、車の輸送専門業者に依頼するよりも割高になってしまう点には注意が必要です。引越し業者が自ら車を輸送するわけではなく、提携業者に委託をして車を輸送することになります。そのため料金には仲介手数料が追加されてしまうのです。また、2~4月の引越し繁忙期では、車の輸送料金が高額になる可能性もあります。車種によって料金も異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

車の引越しにかかる料金

車の引越しにかかる料金は、利用する輸送手段によって変わります。

例えば東京から大阪までキャリアカーを使って運ぶ場合、専門業者では4~7万円が相場です。一方の引越し業者に依頼するとプラス1万円前後になることが多く、若干割高になってしまいます。

同じように東京から沖縄へ運ぶ場合、専門業者は8~14万円前後。引越し業者では2万円程度高くなる傾向にあります。原因は仲介手数料もありますが、そもそも専門業者でも引越し業者でも、途中に船を使って輸送する区間が発生します。この区間分が、東京~大阪間の車の引越し料金と比較した際に2倍近い金額になってしまう原因なのです。

車の引越しで必要な費用相場に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。気になる方や海を渡る長距離引越しを控えている人は、ぜひ一度確認してください。

無料簡単3ステップ!引越し料金を調べる

車の引越しを業者に依頼する際のポイント

車の引越しを自分で行わず、業者に依頼することを検討している場合は、次の3点について確認しておきましょう。

【車の引越しを業者に依頼する際のポイント】

  • 追加料金が発生しないか確認する
  • あらかじめ車体を撮影する
  • 荷物はすべて下ろしておく

事前に上記のポイントをおさえておくと、依頼時に追加料金が発生したり、トラブルが発生したりする可能性が低くなります。手間でも不快な思いや想定外の出費を防ぐためには必要なことです。

追加料金が発生しないか確認する

ひと口に車と言っても、さまざまなタイプの車があるのは事実です。車の大きさや状態によっては、輸送のために追加料金が発生する場合があります。代表的な特徴は次のとおりです。

  • ローダウン車
    車高が15cm未満の車。積載時に地面に擦れて傷や破損に繋がる可能性があることから、追加料金や輸送拒否の対象にしている業者もある。
  • 旧車(ビンテージカー、クラシックカーと呼ばれるもの)
    旧車は1台しか積載できないキャリアカーやウィング車を使用した特殊輸送になるため、追加料金が必要になる傾向にある。また、輸送時の事故に対応した保険料も上がってしまう可能性が高い。
  • 全高2.0m以上の車
    大型バンやキャンピングカー、トラックが該当する。特殊な積載車が必要になると、輸送料金が通常の2~3倍になることも珍しくない。
  • 事故車・不動車
    キャリアカーへの積載時にウインチで引き上げる作業が必要になるため、料金が1.5~2倍高くなる傾向にある。輸送場所によっては輸送拒否される可能性もある。

上記の特徴を持った車は、引越しで業者に依頼すると追加料金が発生したり、場合によっては輸送拒否されたりする可能性もあります。事前に業者に対応できるかどうかを確認しておき、見積もりをとることを忘れないようにしましょう。

あらかじめ車体を撮影する

車の引越しをする前には、あらかじめ車体の写真を残しておきましょう。輸送業者は車を専門に輸送するプロ。丁寧に運んでくれることに間違いはありませんが、万が一の事故などで傷がついてしまう可能性はゼロではありません。事前に車の写真を残しておくことで、輸送中についた傷なのか元からあったものなのかがすぐに判別できるようになり、トラブル回避に役立ちます。

輸送後は、輸送してくれたスタッフと一緒に写真を確認し、車に異常はないかを双方がチェックしましょう。細かく写真を撮影しておくと、些細な傷にも気付くことができます。傷の有無にかかわらず、必ずチェックするようにしてください。ただし輸送業者からすれば気持ちの良いものではないはずです。双方の確認が終われば、丁寧に運んでもらったお礼を伝えることを忘れずに。

荷物はすべて下ろしておく

車に乗っている荷物は、すべて下ろしておくことをおすすめします。絶対に載せてはいけないわけではありませんが、輸送中に荷物の位置がずれると輸送しているキャリアカーのバランスがとりにくくなり、事故に繋がる可能性もあります。また、車内に置きっぱなしにしていた荷物が破損する可能性もあるでしょう。そもそも荷物を積み過ぎていると、輸送拒否される場合もあるため注意が必要です。

また、業者によってはタンクからガソリンを抜くよう指示がある場合もあります。何かの拍子にガソリンが漏れだし、引火するリスクを少しでも下げるためです。ガソリンスタンドやディーラーに依頼するか、ガソリンを抜いてくれる輸送業者にお願いするかのいずれかの方法をとりましょう。静電気の火花で引火することもあるため、自力でガソリンを抜こうとする行為はしないでください。

車の引越しに伴う手続き

車の引越しは、輸送して終わりではありません。引越しした当日から車を運転することはできますが、車に関する変更手続きを済ませる必要があります。大きく5つのやるべきことがあるため、順を追って解説します。

【車の引越しに伴う手続き】

  • 運転免許証の住所変更
  • 車庫証明の住所変更
  • 車検証の住所変更
  • ナンバープレートの変更
  • 自動車保険の変更

運転免許証の住所変更

身分証明書としても使用する頻度が高い運転免許証は、引越し後に住所変更が必要です。以下の表を見て、手続き場所や書類、期日を確認してください。

手続きをおこなう場所 新住所を管轄する警察署、運転免許試験場、運転免許センター
手続きに必要なもの
  • 運転免許証
  • 運転免許記載事項変更届
  • 新住所を確認できる書類(住民票やマイナンバーカードなど)
  • 印鑑(認印可)
  • 申請用の写真(不要な場合あり)
手数料 不要
手続きの期日 法的な規定はないがおおむね2週間以内
代理人の申請の可否 可能。ただし、以下の書類が別途追加で必要

  • 申請者と代理人が併記された住民票
  • 代理人の本人確認書類

運転免許証の住所変更に関しては、最長でも30分程度で完了する場合がほとんどです。「運転免許記載事項変更届」は、手続きできる場所で渡されるため、事前に準備しておく必要はありません。なお、地域によって受付時間や必要書類に若干の違いがあるため、事前に新住所を管轄する警察署や運転免許センターのホームページで確認しておきましょう。

車庫証明の住所変更

車庫証明とは、車の保管場所を証明するための書類です。地域によっては軽自動車の車庫証明が不要な場合もあり、対応はさまざまです。申請場所などの情報は以下のとおりです。

手続きをおこなう場所 新住所を管轄する警察署
手続きに必要なもの
  • 自動車保管場所証明申請書(2通:普通車の場合)
  • 保管場所届出書(2通:軽自動車の場合)
  • 保管場所表彰交付申請書(2通)
  • 保管場所の地図
  • 保管場所使用権原疎明書面もしくは保管場所使用承諾証明書
手数料 申請時:2,100円
交付時:500円
手続きの期日 引越し後15日以内
代理人の申請の可否 可能

車庫証明の場合、車の分類と保管場所の種類によって必要な書類が異なります。車の保管場所が自己所有の敷地内の場合は「保管場所使用権原疎明書面」が、他人の所有地の場合は「保管場所使用承諾証明書」が必要です。月極駐車場によっては、持ち主に一定の費用を支払うことで車庫証明を代わりにしてくれる場合もあります。

なお、申請期日15日は車検証の住所変更の期日と同じです。期日を過ぎると罰則の対象となってしまうため、引越し後には速やかに住所変更を行いましょう。

車検証の住所変更

車検証の住所変更は、新住所を管轄する警察署ではなく、新住所を管轄する陸運支局もしくは軽自動車検査協会で手続きしなければなりません。それ以外は普通車も軽自動車も同じものが必要になるため、申請先を間違えないようにしましょう。

手続きをおこなう場所 新住所を管轄する陸運支局(普通車)もしくは軽自動車検査協会(軽自動車)
手続きに必要なもの
  • 新住所の住民票
  • 車検証
  • 車庫証明
  • 印鑑(認印可)
  • 手数料納付書
  • 自動車税(未納の場合)
  • 自動車取得税申告書(未納の場合)
手数料 350円
手続きの期日 引越し後15日以内
代理人の申請の可否 可能

車検証の住所変更は、ディーラーに一任すれば代わりに済ませてくれます。ただし、その場合は委任状が必要で、かつ代行手数料が必要です。住所変更に行ける時間の余裕があるのであれば、自力で済ませたほうが費用の節約になるでしょう。

ナンバープレートの変更

管轄する陸運支局が変わった場合、ナンバープレートの変更が必要です。こちらも車検証の住所変更同様、ディーラーに委任状を渡し、代行手数料を支払うことで手続きを代行してもらえます。申請場所などは次のとおりです。

手続きをおこなう場所 新住所を管轄する陸運支局
手続きに必要なもの
  • 新住所の住民票
  • 車検証
  • 車庫証明
  • 印鑑(認印可)
  • 手数料納付書
  • 自動車税(未納の場合)
  • 自動車取得税申告書(未納の場合)
  • ナンバープレートの変更が生じる車
手数料 1,500円
手続きの期日 引越しから15日以内
代理人の申請の可否 可能

ナンバープレートの変更では「封印」と呼ばれる作業が必要です。車両後方左上にあるアルミニウム製のフタのようなもので、盗難防止を目的に特殊な工具で取り付けられています。封印は、資格を持つ人間しか取り外しと取り付けが認められていないため、自力で交換することはできません。

なお、ナンバー自体は即日交付されますが、希望ナンバーがある場合は別途申し込みをしなければなりません。希望したナンバーが印字されたナンバープレートが渡されるまで4営業日程度かかるため、余裕をもって手続きするようにしてください。

自動車保険の住所変更

自動車保険は、自賠責保険(強制保険)と任意保険の二つの手続きが必要です。それぞれ手続き先が異なるため、注意しましょう。

■自賠責保険の手続き

手続きをおこなう場所 自賠責保険に加入した代理店
手続きに必要なもの
  • 契約者の本人確認書類
  • 自賠責保険証明書
  • 契約者の印鑑(認印可)
  • 住所変更された車検証や変更後のナンバープレート
手数料 なし
手続きの期日 指定なし
代理人の申請の可否 可能

■任意の自動車保険の手続き

手続きをおこなう場所 任意保険に加入した代理店
手続きに必要なもの
  • 各保険会社が用意している住所変更用の書類
  • 契約者の印鑑(認印可)
  • 変更後の車検証のコピー(不要な場合もある)
手数料 なし
手続きの期日 指定なし
代理人の申請の可否 可能

自賠責保険の場合、車を購入したディーラーが代理店になっていることが多いため、ディーラーに問い合わせれば問題ありません。保険会社に契約者自身が問い合わせての住所変更もできます。任意保険の住所変更に期日は設けられていませんが、万が一住所変更せずに事故を起こしてしまった場合、保険金が支払われない可能性もあります。引越ししたら、早い段階で住所変更を行いましょう。

無料簡単3ステップ!引越し料金を調べる

車の引越しに伴う手続きを怠った場合の罰則

車の引越しにともなう手続きを怠った場合、罰則が設けられているものがあります。また、法的な罰則ではなくても、何かしらの不利益を被る可能性もあるでしょう。以下に、前述した必要な手続きを怠った場合の罰則や不利益についてまとめました。

■車の引越しに伴う手続きを怠った場合の罰則

運転免許証の住所変更 2万円以下の罰金、または科料(道路交通法第121条9号)
車庫証明の住所変更 10万円以下の罰金(自動車の保管場所の確保等に関する法律第17号3項1号)
車検証の住所変更 普通車:50万円以下の罰金(道路運送車両法第109条2号)
軽自動車:30万円以下の罰金(道路運送車両法第110条1号)
ナンバープレートの変更 ナンバープレートに直接関係する罰則はないが、車検証の住所変更に準ずると思っておくと良い
自動車保険の住所変更 自賠責:30万円以下の罰金(自動車損害賠償保障法第88条1号)
任意:罰則はないが、変更せずに事故を起こした場合、保険金の払い出しができない場合がある

車の引越しで必要になる住所変更は15日以内とされているものがほとんどです。期限がないものもありますが、すべての手続きを15日以内にしておきましょう。自分でできない場合は家族に代理申請してもらうなどの対応をしてください。

手続き代行サービスの利用も一つの手

もし自分や家族が車の引越しにかかわる住所変更ができない場合、車の引越しに伴う手続きを行政書士や専門業者などに依頼することもできます。数千円~5万円程度と依頼する業者やお願いする内容によって大きく差が開きます。どうしても自分でできない場合に手続き代行を依頼すると良いでしょう。

また、車検証とナンバープレート、自賠責保険に関してはディーラー経由で申請・変更できます。それ以外の手続きが自分でできるのであれば、ディーラーに依頼するのも候補に残しておきましょう。

引越し時に車を廃車にする方法

引越し時に車を新居には持っていかずに廃車する場合、引越しに先立って廃車手続きを進める必要があります。車の廃車手続きに必要な書類と廃車する時期について説明します。

車の廃車に必要な書類

車の廃車を行うには「永久抹消」の手続きが必要です。つまり、車を解体業者でスクラップにしてしまう申請をしなければなりません。申請は陸運支局で可能であり、必要な書類は次のとおりです。

【車の廃車に必要な書類】

  • 解体証明書
  • 抹消登録申請書
  • 手数料納付書
  • 印鑑証明書
  • 実印
  • ナンバープレート
  • 車検証
  • 住民票
  • 委任状(代理人が行う場合)

陸運支局に支払う手数料はありませんが、解体業者への依頼費用として1万円程度支払わなければなりません。まだ乗れる場合は中古車として査定に出す方法もあるため、一度見積もり依頼だけでもしてみると良いでしょう。

車を廃車にするタイミング

引越しに際して車を廃車にするなら、引越し前の方が手続きが楽でおすすめです。引越し後に廃車手続きを行おうとすると、引越し後の住所に書き換えた車検証などが必要になります。処分する予定の車に手数料などを支払うのは費用の無駄になりかねません。引越し前に廃車処理をしておくと良いでしょう。

また、中古車買取業者に買い取ってもらう場合は、時期を見計らうことが重要です。特に1~4月に新生活が始まる時期や8~10月などのボーナスが支給されるタイミングでは、車の需要が増える傾向にあるため、高額査定に繋がるかもしれません。

まとめ

車の引越しが簡単で誰でもできると思っていると、意外なトラブルや事故に巻き込まれてしまう可能性があります。

自分で移動できてしまうため手続きに漏れや抜けが発生しやすく、場合によっては罰則の対象になることも考えられます。きちんと手順を踏んで、必要な申請や変更に漏れがないようにしましょう。