目次
- 引越し後の手続きは人によって異なるので対象の手続きを事前に確認しておきましょう
- 手続きによっては平日にしか行えないものもあるので注意が計画的に手続きを行いましょう
- 期限が設定されている手続きは超過してしまうと罰金を科される可能性があります
- 住民票の異動(移動)は場合によっては不要になります
引越し前にもさまざまな手続きを行いますが、引越し後にも多くの手続きが発生します。期限を超過してしまうと罰金を科されるなどの不都合が生じる可能性が高いので、該当する手続きを事前にリストアップして、抜け漏れがないように対応する必要があります。
今回は引越し後の手続きを一挙公開。手続きに必要な書類や期限などを紹介するので、引越し後の手続きを行う際の参考にしてください。
引越し後に必要な手続き一覧

引越し後に必要な手続きには下記のようなものがあります。
手続き名 | 対象者 | 手続き場所 |
---|---|---|
転入届・転居届 |
|
|
印鑑登録の住所変更 | 旧住所と異なる市区町村間で引越しした人 | 新住所の役所 |
マイナンバーカードの住所変更 | マイナンバーカードを所有している人 | 新住所の役所 |
国民年金の住所変更 |
ほか |
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国民健康保険の加入 | 国民健康保険に加入している人(自営業者、農業・漁業従事者・退職した人など) | 新住所の役所 |
ペットの登録変更 | 犬、または特定動物を飼育している人 | 新住所の役所・保健所 |
車関係の書類住所変更 | 自動車を所有している人 |
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バイクの住所変更 | バイクを所有している人 | 排気量によって異なる |
金融関係の住所変更 |
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各金融機関によって異なる |
パスポートの住所変更 |
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住所登録している各都道府県の窓口 |
各手続きで必要な書類、手続き期限が異なります。期限を過ぎてしまうと罰金を科される場合もあるので、注意しておきましょう。
転入届・転居届
引越し後は転入届・転居届の手続きが必要です。両者の違いは下記のとおり。いずれかには該当するので、手続きを忘れないようにしておきましょう。
手続き名 | 対象者 | 必要書類 | 期限 | 手続き場所 |
---|---|---|---|---|
転入届 | 旧住所と異なる市区町村間で引越しした人 |
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引越し後14日以内 | 新住所の役所 |
転居届 | 旧住所と同一市区町村間で引越しした人 |
|
引越し後14日以内 | 旧・新住所の役所 |
※自治体によっては必要書類が異なるため、事前に自治体HPなどで確認をしましょう。
基本的には「平日」に「本人」が手続きを行う必要がありますが、仕事や学校の都合上、平日に時間が取れない場合もあります。そうした場合は「代理人に依頼する」、もしくは「郵送」でも手続きが可能です。代理人に依頼する場合は「委任状」と「代理人の本人確認書類」、「代理人の印鑑」が上記の書類に加えて必要です。
転入届に関しては「転入届の特例」も利用できます。ただし、マイナンバーカードもしくは住民基本台帳カードを持っている場合に限り利用できる制度であることを留意しておきましょう。
関連記事:転入届・転出届・転居届の違いとは?引越しで必要な住民票の異動(移動)手続きや書類について解説!
単身赴任・学生の場合も住民票の異動(移動)は必要?
引越しをした場合、住民基本台帳法に則り住民票の異動(移動)を行う必要があります。ただし、下記のような場合は例外的に異動(移動)しなくても良いとされています。
- 1年以内に元の住所に戻る場合
- 定期的に帰省するなど、生活の拠点が変わらない場合
上記のケースに当てはまる場合は、単身赴任や学生であっても住民票を異動(移動)する必要はありません。
印鑑登録の住所変更
印鑑登録とは印鑑証明の発行ために、役所に印鑑(実印)の登録を行うことを言います。印鑑証明は住宅や車の購入、賃貸契約を結ぶなど、重要な契約時に求められる書類です。旧住所と異なる市区町村間で引越しをして住所が変わった場合には、印鑑登録の住所変更も行う必要があります。
対象者 | 必要書類 | 期限 | 手続き場所 |
---|---|---|---|
旧住所と異なる市区町村間で引越しした人 |
|
- | 新住所の役所 |
※自治体によっては必要書類が異なるため、事前に自治体HPなどで確認をしましょう。
旧住所と異なる管轄の市区町村への引越しをした場合、旧住所の印鑑登録は転出日に自動的に抹消されます。新住所での印鑑登録は自動的に行われないので、忘れずに手続きを行いましょう。忘れていても罰則などはありませんが、住宅や車などの重要な契約の際に必要な印鑑証明の発行ができなくなります。つまり、「高額な契約」の進行が滞ってしまうことになるので早めに手続きをしておくことをおすすめします。
関連記事:印鑑証明とは?印鑑証明が必要なケースや引越しの際の手続きを解説!
マイナンバーカードの住所変更
新居に引越し後はマイナンバーカードの住所変更も行いましょう。
対象者 | 必要書類 | 期限 | 手続き場所 |
---|---|---|---|
マイナンバーカードを所有している人 |
|
転入届出日から90日以内 | 新住所の役所 |
マイナンバーカードの住所変更は、転入届出日から90日以内に済ませましょう。90日を過ぎてしまうと、マイナンバーカードは使用不可となります。その場合、再発行が必要になり手間と時間を要するので、期限内に手続きを行うように注意しておきましょう。
ちなみに顔写真なしの紙製カードの「通知カード」は住所変更の必要はありません。ただし、引越後は通知カードによるマイナンバーの証明ができなくなるため、早めにマイナンバーカードの発行を行いましょう。
関連記事:引越し時に行うべきマイナンバー関連の手続きは?必要なものや注意点、一緒に行いたい各種手続きをご紹介
国民年金の住所変更
国民年金の住所変更は下記のような人が対象です。
対象者 | 必要書類 | 期限 | 手続き場所 |
---|---|---|---|
|
|
|
新住所の役所 |
※自治体によっては必要書類が異なるため、事前に自治体HPなどで確認をしましょう。
マイナンバーと基礎年金番号が紐づいている被保険者に関しては、原則住所変更をする必要はありません。マイナンバーと基礎年金番号が紐づいているかどうかは、「ねんきんネット」もしくは年金事務所にて確認可能です。また、住民票と異なる住所で生活しており、その住所を日本年金機構に登録している場合も、登録住所に各種郵便物が届いているはずなので、住所変更の手続きは不要です。
旧住所と同一市区町村間で引越しを行った場合、役所によっては住民票の住所変更を行ったら自動的に国民年金の住所変更をしてくれることもあるので、事前に確認してみましょう。
関連記事:引越しの際に国民年金の住所変更は必要?手続き方法や変更不要の場合をご紹介
国民健康保険の加入
旧住所と異なる市区町村間で引越した場合は、下記の書類を用意して国民健康保険の加入手続きを行いましょう。
対象者 | 必要書類 | 期限 | 手続き場所 |
---|---|---|---|
国民健康保険に加入している人(自営業者、農業・漁業従事者・退職した人など) |
|
転居した日から14日以内 | 新住所の役所 |
※自治体によっては必要書類が異なるため、事前に自治体HPなどで確認をしましょう。
旧住所と異なる市区町村間で引越しした場合の、国民健康保険の加入手続きは14日以内に行う必要があります。もし手続きを忘れて期限を過ぎてしまった場合、失効期間は医療費を全額負担しなければいけません。また、保険料の二重払いが起きる可能性もあるので、速やかに加入手続きを済ませましょう。
ちなみに旧住所と同じ市区町村に引越した場合は、転居前に住所変更の手続きを行っておけば、引越し後に手続きをする必要はありません。
ペットの登録住所変更
ペットを飼っている場合は、引越し先が旧住所と同一市区町村でも、異なる市区町村でもペットの登録住所の変更を行う必要があります。
対象者 | 必要書類 | 期限 | 手続き場所 |
---|---|---|---|
犬、または特定動物を飼育している人 | ■犬の場合
■猫の場合
■特定動物の場合
|
- ※引越しと同時に飼育を始めた場合は飼育開始から30日以内 |
新住所の役所・保健所 |
※自治体によっては必要書類が異なるため、事前に自治体HPなどで確認をしましょう。
上記の特定動物とはワニやヘビなどの人に危害を加える可能性のある動物のことを指します。また、ペット保険の住所変更も忘れずに行いましょう。ペット保険に関しては動物の種類に関係なく、住所変更を行いましょう。
関連記事:引越し準備のやることチェックリスト|1ヶ月前から2週間後まで解説
車関係の書類の住所変更
自家用車を所有している人は、引越しの際に下記のような関係書類の住所変更を行いましょう。
- 運転免許証
- 自動車検査証
- 車庫証明
- 任意の自動車保険
運転免許証
引越しにより住所が変わったら運転免許証の変更は必ず行いましょう。
必要書類 | 期限 | 手続き場所 | 手数料 |
---|---|---|---|
|
- | 新住所管轄の警察署・運転免許試験場 | - |
※自治体によっては必要書類が異なるため、事前に各都道府県の警察署などのHPで確認をしましょう。
運転免許証の住所変更において、管轄の警察署によって求められる書類が異なる場合があります。そのため、事前に各警察署のWebサイトを確認しておきましょう。また、運転免許証の住所変更は、特に期限は設けられていませんが、「免許更新の通知がこない」「罰金や過料に処せられる」可能性があるので、新居に引越し後は速やかに変更手続きを行いましょう。
関連記事:運転免許証でも住所変更が必要?記載事項変更届の提出方法やその他の住所変更手続きも解説!
自動車検査証・ナンバープレート
必要書類 | 期限 | 手続き場所 | 手数料 |
---|---|---|---|
■普通自動車の場合
■軽自動車
■共通
|
保管場所の変更があった時点から15日以内 (ナンバープレートの交換に関しては次回車検時での交換も特例にて可能) |
|
住所変更:350円 ナンバープレート変更:約1,500~3,000円 |
※自治体によっては必要書類が異なるため、事前に自治体の陸運局など手続きを行う先のHPなどで確認をしましょう。
車検証の住所変更を怠ると、事故を起こした際に自賠責保険が下りない場合があります。また、自動車税の通知が届かず、未納となり懲罰金が課せられる場合もあるので注意が必要です。
車庫証明
車庫証明に関しては、地域によって手続きが必要ない場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
必要書類 | 期限 | 手続き場所 | 手数料 |
---|---|---|---|
■自分で所有している土地に保管する場合
■借りている土地に保管する場合
■共通
|
保管場所の変更があった時点から15日以内 | 自動車の保管場所を管轄する警察署の交通課・Webサイト | 申請時:約2,000~2,200円 受取時:約500円 ※各都道府県による |
※自治体によっては必要書類が異なるため、事前に自治体の警察署などのHPで確認をしましょう。
「引越しをしたけど自動車の保管場所は変わらない」ケースは、住所変更の手続きをしなくても良いかというと、そうとは限りません。手続きが必要な地域の場合は、自動車の保管場所に変更がなくても住所変更を行う必要があるので注意が必要です。もし住所変更を忘れて期限の15日を過ぎてしまった場合は、罰金10万円以下が科される可能性があるので、忘れずに変更を行いましょう。
関連記事:車庫証明とは?引越しの際に必要な車庫証明書の住所変更手続きを徹底解説
バイクの住所変更
バイクは排気量によって手続きの有無や必要な書類が異なります。
バイクの排気量 | 対象 | 必要書類 | 期限 | 手続き場所 |
---|---|---|---|---|
125cc以下(原付・原付二種・小型自動二輪) | 旧住所と異なる市区町村間で引越しした場合 |
|
引越しから
14日以内 |
新住所の役所 |
126cc以上(軽二輪) | 全員 |
|
引越しから14日以内 | 新住所を管轄する陸運局 |
250cc以上(小型二輪自動車) | 全員 |
|
引越しから14日以内 | 新住所を管轄する陸運局 |
※自治体によっては必要書類が異なるため、事前に自治体、各自治体の陸運局など手続きを行う先のHPなどで確認をしましょう。
バイクの住所変更と同時に、運転免許証や保険の住所変更も行いましょう。もし、住所変更を怠った場合は、罰金を科される可能性や、事故にあった際に保険の適用ができなくなるので注意が必要です。
関連記事:引越しの際に必要なバイクの住所変更手続きは?時間がないときの対処法も紹介
金融関係の住所変更
銀行口座やクレジットカードなどの金融関係の住所変更は、引越しをした人全員行う必要があります。手続きは下記のような方法で行えますが、各金融機関によって対応が異なるので、ご利用の金融機関のWebサイトをご確認のうえ、手続きを行いましょう。
手続き方法 | 必要なもの | |
---|---|---|
銀行口座 | クレジットカード | |
インターネット |
|
特になし ※後日、新住所を確認できる書類を郵送する場合も |
電話 | 口座番号がわかるもの(通帳・クレジットカードなど) |
特になし ※書面での変更以来が必要な場合も |
窓口 |
|
|
郵送 |
|
|
変更が漏れていると、大事なお知らせを見逃す可能性があるので、引越し後速やかに変更を行いましょう。
関連記事:引越しで銀行口座の住所変更は必要?変更方法や注意点などを解説!
関連記事:クレジットカードの住所変更はどうすればよい?必要書類や変更方法、注意点を解説!
パスポートの住所変更
引越しによるパスポートの住所変更は基本的に不要ですが、下記の対象者に当てはまる場合は変更手続きを行いましょう。
対象者 | 必要書類 | 期限 | 手続き場所 | 手数料 |
---|---|---|---|---|
|
一般旅券発給申請書(記載事項変更用) ※外務省のWebサイトからダウンロード可能
|
- | 住所登録している各都道府県の窓口 | 記載事項の変更をする場合:6,000円 変更内容で新規に申請する場合:6,000~16,000円 |
パスポートの住所変更手続きには特に期限は設けられていません。しかし、申請から受け取りまでには1週間ほど時間を要することがほとんどです。引越し後に海外へ行く予定がある場合、早めに申請しておかないとパスポートが間に合わずに旅行や出張に行けなくなる可能性があるので、逆算して申請を行いましょう。
関連記事:パスポートの住所変更は引越しのときに必要?変更が必要なケースや方法を解説!
引越し後の手続きに関する注意点

引越し後の手続きでは下記のような点に注意が必要です。
- 平日しか行えない手続きがある
- 期限を超えると罰金を科される場合がある
平日しかおこなえない手続きがある
市役所や陸運局、銀行関連の手続きは平日しか行えない場合があります。たとえば以下のような手続きは注意が必要です。
■平日しか行えない手続き一例
- 転入届・転居届
- 印鑑登録の住所変更
- 国民健康保険の加入手続き
- ペットの登録住所変更
- パスポートの住所変更
なかには郵送での申請を受け付けている場合や、受け取りは休日でもできる場合があるので事前に確認しておきましょう。
期限を超えると罰金を科される場合がある
下記のような手続きの場合、期限を過ぎてしまうと罰金を科される可能性があるので注意が必要です。
■期限超過により罰金を科される可能性のある手続き一例
- 転入届
- 車関係(運転免許証・自動車検査証・車庫証明証)の住所変更
- バイクの住所変更
期限を過ぎても罰金がない手続きもありますが、早めに手続きをしておいて損はないので引越し後、速やかに対応しましょう。
まとめ

引越し後にも多くの手続きが発生するので、行わなければいけない手続きを事前にリストアップしておくことをおすすめします。各手続きに必要な書類や期限も一緒に把握しておけば、無駄なく手続きを終わらせることができるでしょう。
特に市役所関係の手続きは平日にしか行えない場合がほとんどです。仕事や学校の関係で休みを取れない場合も考慮して、スムーズに手続きを終えられるよう準備しておきましょう。