目次
- 引越しの繁忙期は進学・就職で移動が増える3~4月です
- 繁忙期の引越しは気候が良いので快適に引越しができるだけでなく物件の選択肢が多いというメリットがあります
- 反対に引越し業者が忙しくなるので予約が取りづらいうえに料金が高くなるというデメリットがあります
- 繁忙期でも荷物量を減らしたりフリー便を活用したりすれば引越し料金を下げられます
どんな業界にも繁忙期と閑散期がありますが、引越し業界における繁忙期は3~4月と言われています。そのため、自ずとこの時期は引越し料金が高くなります。一見、デメリットが多いように思われがちですが、実は繁忙期に引越すメリットも存在します。
今回は引越し業界の繁忙期について紹介します。繁忙期に引越す際のメリットやデメリットなどの特徴から、繁忙期でも安く引越しするテクニックも解説するので、繁忙期に引越しを予定している人はぜひ試してみてください。
引越しの繁忙期はいつ?

進学や就職などで新生活を始めるための移動が多くなる3~4月は、引越しの需要が高まります。そのため、3~4月は引越し業界における繁忙期とされており、この時期は引越し業者の予約も取りづらく、引越しにかかる料金も必然的に高くなる傾向にあります。
特に例年3月の最終土曜日は、引越しの希望が集中する傾向にあるのでできるだけ避けた方が無難でしょう。どうしても3月の下旬じゃないと都合がつかない場合は、可能な限り早めに引越し業者の選定を行い、予約をおさえておくことをおすすめします。
引越しの通常期・閑散期
引越し業界の通常期と閑散期は、下記のとおりです。
- 通常期:5~10月
- 閑散期:11~1月
3~4月の引越しラッシュを終えた引越し業界は、5月頃から通常期に入ります。その後、学期の区切りで引越しを考えるファミリー層や転勤を控えた会社員、後期入学予定の学生などによる需要で8~10月にも引越しの件数が増加。この時期は「第二の繁忙期」とも呼ばれていますが、3~4月と比べるとその件数は落ち着きが見られます。
11~1月になると移動が減るため、引越し業界は閑散期に入ります。この時期が1年で最も料金が安くなるため、引越し料金を抑えたい方はこの時期がおすすめです。
さらに詳しい時期別の引越し市場の状況については「引越しにおすすめの時期は6月と10月!1年でも特にお得な理由は?」で解説しているので、合わせてご確認ください。
繁忙期に引越すメリット

引越しラッシュまっただ中である繁忙期に引越すとなると、あまりメリットがないように感じますが、繁忙期の引越しにも下記のような利点があります。
- 物件の選択肢が多い
- 快適に引越し作業ができる
引越しが多くなる繁忙期には、空き物件の数も増えます。また、不動産業界ではこの繁忙期を狙って新築物件の情報を公開することも多いため、引越し先の選択肢が増える点においては繁忙期に引越しをするメリットは大きいでしょう。
また、荷物の搬出入や掃除などで動き回ることも多く、換気のために窓を開けることもある引越しにおいては、暑すぎず寒すぎない春の穏やかな気候がベスト。温暖化の影響で秋が短くなっていることからも、3~4月が年間で最も快適に引越し作業ができる時期だと言えるでしょう。ただし、地域によってはまだ気候が安定していない場合もあるので、快適な引越しを実現できるよう、事前の準備をしっかりと行いましょう。
繁忙期に引越すデメリット

繁忙期に引越しをするデメリットは、下記のとおりです。
- 予約が取りにくい
- 引越しにかかる料金が高い
繁忙期では一気に高まる需要に対して、供給が追いつかない場合もあります。そのため、希望する日程での引越しが叶わないことも往々にしてあるので、予約時期や日程の調整には注意が必要です。また、需要の高騰に伴い、料金も上がりやすいのが繁忙期のデメリットです。
予約が取りにくい
繁忙期になると引越しの依頼が集中するため、予約が取りづらくなります。引越し業者も人手を確保するためにアルバイトを増やすなどの工夫はしていますが、それでも需要に対して供給が追いつかない場合もあります。そのため、引越しが繁忙期に被る場合は、早めの予約が必要です。
遅くとも引越しの1ヶ月前までには引越し業者の選定を行わないと、選択肢が減ることはもちろん、希望する日時での引越しが叶わなくなる可能性もあります。反対に、早めに引越し業者の選定に取りかかると選択肢が増えるだけでなく、相見積りもとれるので、引越し料金を安くすることも可能です。そのため、引越しするまでに余裕がある場合は、繁忙期に限らず早めに引越し業者の選定に取りかかるようにしましょう。
引越しにかかる料金が高い
引越し業界は需要に応じて料金が上がるため、閑散期と比較して繁忙期の引越し料金は高くなる傾向にあります。
一人暮らし | 二人暮らし | 三人暮らし | 四人暮らし | 五人暮らし | |
---|---|---|---|---|---|
閑散期 | 約30,900円~約36,100円 | 約57,600円~約73,800円 | 約71,200円~約107,300円 | 約74,100円~約112,800円 | 約95,600円~ 約149,400円 |
繁忙期 | 約39,000円~約62,500円 | 約77,500円~約108,100円 | 約91,700円~約141,400円 | 約109,300円~約160,200円 | 約134,800円~約225,500円 |
※上記は15km~50km未満の引越し料金相場
引越し料金は、引越す人数や荷物量、距離によって異なります。また、繁忙期でも土日祝や時間帯によって割増し料金が発生することもあるので、上記はあくまで目安として覚えておきましょう。そのうえで、上記の相場を確認してみると、五人暮らしの場合の閑散期の最安値と繁忙期の最高値には、約13万円の開きが生じます。
一人暮らしの場合でも、繁忙期になると3万円以上も金額が上がることになり、総じて繁忙期の方が引越しにかかる料金が高いと言えます。
ただし、繁忙期でも引越し料金を安くする方法はあります。後述しているので繁忙期に引越しを予定している人はぜひ試してみてください。より詳しい料金比較は、「引越し費用の相場|世帯別平均、業者の選び方、安くおさえる方法も解説」で紹介しているのでこちらも合わせて参考にしてください。
時期以外で見積り料金に影響する要素

引越し料金は引越す時期にも影響を受けますが、下記のような要素にも左右されます。
内訳 | 概要 |
---|---|
運賃 | 荷物を運ぶために使用する車輌にかかる料金
時間制と距離制がある 大きさ(2トンのショートトラック、4トントラック等)と台数によっても変動する |
料金 | 待機時間料、荷造り、荷物の搬出入、附帯業務など |
実費 | 梱包資材費、高速道路料金など |
オプション | ピアノの搬出など、引越し業者が指定する作業を依頼した際にかかる料金 |
たとえば荷物の量を減らしてトラックをワンサイズ小さくする、荷造りは自分でする等の工夫をすれば、繁忙期でも引越し料金はおさえられます。詳細は次項で解説していきます。
繁忙期の引越し料金を少しでも安くする方法

引越し料金が高くなりがちな繁忙期ですが、下記のような点を意識すれば少しでも引越し料金をおさえられます。
- 複数の引越し業者から見積りをとる
- 荷物の量を減らす
- 仏滅や赤口を選ぶ
- 月末・月初を避ける
- 土日・祝日を避ける
- フリー便を活用する
- 混載便を活用する
引越しの料金は、需要の高低と前述した要素によって決まります。そのため、需要が低い日時を狙い、荷物の量を減らすだけでも料金を下げられます。
複数の引越し業者から見積りをとる
先に繁忙期にかかる引越し料金の相場を紹介していますが、利用する引越し業者によっても料金は違ってきます。そのため、引越し業者を選定する際は、はじめから1社に決めてしまうのではなく、ある程度候補が絞れてきた時点で各引越し業者に見積りを依頼しましょう。
その際、1社ずつ見積りをとるのは時間と手間がかかるので、一括見積りサイトなどで相見積りを取るのがおすすめ。引越し業者側にも「比較される」ことがわかるので、価格を融通してくれる、無料でオプション対応をつけてくれるなどの対応が望めます。ただし、一括見積りサイトで相見積りを依頼すると、執拗な営業電話がかかってくることがあるのも留意しておきましょう。
荷物の量を減らす
荷物の量が多くなればなるほど、荷物を積み込むトラックの大きさも大きくなり、搬出・搬入にかかる時間も長くなるため、引越し料金が高くなります。一方で荷物の量が少ない場合は、トラックも小さいサイズのものでよくなるため、作業人員の削減や作業時間の短縮につながり、引越し料金もおさえられます。
また、荷物の量を減らすと聞くと、荷物全体の量を減らさなければいけないと思われるかもしれません。しかし、「引越し業者に運搬を依頼する荷物の量」を減らすだけでも大丈夫です。荷物全体の量を減らすと、荷造り・荷解きが楽というメリットもありますが、荷物を選別する時間がない場合は、引越し業者に依頼する荷物の量を減らし、自力で運ぶ荷物の量を増やすだけでも引越しに関する出費をおさえられるでしょう。
荷物の量を減らす方法については、「引越しで荷物が多い場合の問題とは?減らす方法や料金をおさえるコツも紹介」で解説しているので合わせてご確認ください。
仏滅や赤口を選ぶ
引越しは一大イベントでもあるため、お日柄を気にする人も多くいます。そのため、縁起が良いとされる大安などは引越しの予約が集中しやすく、料金も高くなりがちです。裏を返せば縁起が良くないとされる「仏滅」や「赤口」は、引越し料金が安くなりやすいということを意味します。繁忙期での引越しを避けられない場合はお日柄を気にするだけでも、引越し料金のコストカットに繋がるので意識してみると良いでしょう。
月末・月初を避ける
入社式や入学式などは月初に予定されることも多く、その関係で繁忙期も3月末や4月初めに引越しが集中するため、月末・月初は必然的に料金が割高になる傾向になります。また、日割り計算をしてくれない賃貸に住んでいる場合は、契約が切れる直前の月末、もしくは契約が切れた月初に引越す傾向にあるなど、繁忙期でなくても月末・月初は予約が集中しやすいと言えます。そのため、融通がきく場合は、月末・月初の引越しは避けるようにしましょう。
土日・祝日を避ける
引越しの予約は、仕事や学校が休みである土日・祝日の特に午前中に集中する傾向にあります。そのため、引越しは平日に行う方が予約も取りやすく、料金もおさえられるのでおすすめです。また、引越しは早めに終わらせてゆっくり荷解きしたいという心理から、午前中の予約が多くなるため、平日の場合でもさらに午後を狙えばリーズナブルに引越しできる可能性が上がります。
フリー便を活用する
タイミングや荷物量、依頼する引越し業者によって異なりますが、一般的に引越し料金は土日・祝日よりも平日、平日でも午前中より午後、午後よりもフリー便の方が安くなります。フリー便とは引越し業者の都合の良い時間に引越し作業を行う引越しプランです。
「何時にくるかわからない」点は少し困りますが、引越しの当日に特に予定が無い人や、引越ししてから数日かけてゆっくり荷解きする余裕がある人は、フリー便を活用することで引越しにかかる料金の大幅ダウンを狙えるでしょう。
混載便を活用する
引越し業者によっては混載便で複数人の荷物を運ぶサービスを提供しています。混載便を利用すれば、トラック1台を貸し切らずに引越しできるので、引越し料金の大幅ダウンが望めます。ただし、混載便では専用のコンテナに収まる荷物量でなければいけません。そのため、荷物量が多い人には不向きのコストダウン方法と言えます。
荷物が多い人で混載便を利用したい場合は、引越しを機に荷物の量を整理するのも一つの手です。普段生活しているなかで必要なものは意外と少ないため、「1年使用していないものは捨てる」といった基準を決めて断捨離してみるのも良いでしょう。
繁忙期の引越しには相見積りを!おすすめの引越し業者5選

繁忙期の引越しにおすすめの引越し業者は以下のとおりです。
- 単身引越しナビ
- アート引越センター
- サカイ引越センター
- アリさんマークの引越社
- アーク引越センター
今回紹介しているのは、フリー便がある、お得日カレンダーを公開しているなど、お得に利用できる引越し業者です。人気の高い引越し業者であるため、繁忙期にも予約が集中することが予想されるので、早めに見積り依頼をするように心がけましょう。
単身引越しナビ

引用元:単身引越しナビ
電話なしで、かつ引越し業者とのやり取りを極力少なくしたい単身者には当サイトが提供する定額引越しサービスの「単身引越しナビ」がおすすめです。荷物の制限は2トンのショートトラックに載せられるだけなので料金体系も非常にわかりやすく、見積りの時間が削減できるようになっています。やや大型の家具や家電があっても、既定のサイズに収まるのであれば料金は変わりません。希望日入力後でも、電話対応は単身引越しナビかマッチングした引越し業者だけなので安心して利用できます。しつこい営業電話も、訪問見積りもないので、じっくりと引越し準備を進められるでしょう。
ネットから申し込んだら、マッチングまで待っていればOK。マッチング後はメールの案内に沿って、申込み手続きをネットで行うだけ。あとは当日までに梱包を済ませるだけです。梱包で使うダンボールも20枚ついてくるので、梱包資材の調達は必要ありません。時間のない人、できるだけ手間を少なくして引越ししたい人は、ぜひ利用してみてください。
見積り方法 | Webフォーム |
---|---|
対応エリア | 一都三県 |
単身引越しパック | ○ |
支払い方法 | クレジットカード、現金 |
アート引越センター

引用元:アート引越センター
アート引越センターでは、おまかせパックをはじめ、学割やレディース、シニアなど、幅広い要望に答えた引越しプランを用意しています。依頼する作業範囲も選択できるため、荷造り・荷解きを自分で行うことで料金をおさえることも可能。家具クリーンやクリーンソックスサービスなど、無料サービスも充実しているのでリーズナブルかつ快適に引越しを行えます。
また、時間を指定しない「フリー便」では、指定便に比べて割安になったり、引越し日をアート引越しセンターにおまかせする「引越し待ち割」を利用すれば、半額で引越しできたりします。引越しで面倒な見積りもオンラインやLINEで済ませることができるので、引越しにおけるストレスも軽減できます。
見積り方法 | Webフォーム、電話、オンライン、LINE |
---|---|
対応エリア | 全国 |
単身引越しパック | ○ |
支払い方法 | 現金、クレジットカード、二次元コード決済 |
サカイ引越センター

引用元:サカイ引越センター
売上高・引越し件数ともに業界トップを走る引越し業者であるサカイ引越センターでは、単身向けはもちろん、ファミリー向け、海外への引越しなど豊富なプランを用意。作業の割合に応じたプランも充実しているので、ニーズを満たした引越しが可能です。単身者の場合は、混載便も利用できるので、引越し先が遠方の場合もリーズナブルに引越しできます。
また、電気、ガス、エアコンクリーニングなどの面倒な手続きの無料対応や相談も可能。引越しで出た不用品の買い取りサービスも無料で実施しているので、手間なく荷物を減らせて身軽に引越しできるでしょう。
見積り方法 | 電話、LINE、Webフォーム、ビデオ通話 |
---|---|
対応エリア | 全国 ※一部離島を除く |
単身引越しパック | ○ |
支払い方法 | 現金、事前振込 |
アリさんマークの引越社

引用元:アリさんマークの引越社
アリさんマークの引越社では各プランにおいて、フルパックから経済パックまで作業を依頼する範囲に応じて選択可能。ダンボールをはじめとした梱包資材も無料で提供してくれるため、自分で用意する必要はありません。
長距離の引越しの場合は、JRコンテナを利用した「長距離エコリーズナブルパック」がお得。運搬は電車で、引越し作業は自社の作業員が担当するので長距離でもリーズナブルな引越しが可能になります。
また、平日を中心にお得日カレンダーも公開しており、引越し希望日によっては交渉すればよりお得な引越しを実現できるでしょう。ファミリーで新築への引越しの場合は、引越し料金の割引が受けられる可能性があるので「タイアップハウスメーカー」を確認しておくと良いでしょう。
見積り方法 | 電話、LINE、Webフォーム |
---|---|
対応エリア | 関東、中部、関西、九州、中国、北海道 |
単身引越しパック | ○ |
支払い方法 | 現金、クレジットカード、スマホ決済 |
アーク引越センター

引用元:アーク引越センター
アーク引越しセンターでは毎月1~20日までの大安、土日・祝日以外の日には特別割引を用意しています。割引率は引越しお得日カレンダーに記載されているので、カレンダーを参考にして引越し日を決めるとお得に引越しができるでしょう。
また、引越しに際して最大で50枚のダンボールを提供してくれるので、梱包資材を自分で準備する必要はありません。不用品買取サービスも行っているので、手間なく引越しの荷物を減らせます。搬出の際に分解が必要になった大型家具については、搬入後も組み立てて設置してくれるなど、充実したサービスを受けられます。
見積り方法 | 電話、Webフォーム |
---|---|
対応エリア | 全国 |
単身引越しパック | ○ |
支払い方法 | 現金、クレジットカード |
まとめ
引越し業界の繁忙期は、進学、就職により移動が増える3~4月です。この時期は1年のなかでも最も引越し件数が増えるため、引越し料金も必然的に高騰。予約も取りづらくなるので、繁忙期に引越しを予定している場合は相見積りを取って少しでもリーズナブルに引越しができるように、早めに引越し業者の選定を始めていきましょう。
また、人気が集中する土日・祝日や月末月初、大安を避け、午後便もしくはフリー便を利用するなど工夫をすれば、繁忙期でもお得な引越しを実現できるので、ぜひ実践してみてください。