海外へ引越しするときの流れと費用|必要な手続きや注意点についても解説

海外へ引越しするときの流れと費用|必要な手続きや注意点についても解説
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summary
  • 海外引越しする場合、国内引越しと異なるポイントがいくつかあります
  • 海外引越しでの荷物の輸送方法は、航空便、船便、手荷物のみの3種類あります
  • 海外引越しにともなって必要になる手続きは多く、計画的にクリアしていかなければなりません
  • 海外引越し特有の注意点があります

留学や転勤などで海外に引越しすることになった場合、費用や荷物のルールについて不明な点も多いことでしょう。日本の外へ出たことがない人ならなおさらイメージできなくても無理はありません。海外引越しに対応した引越し業者を探すことも大切ですが、海外へ引越しするにあたって気を付けたいことがあるのも事実です。

この記事では海外への引越しの流れや費用相場、引越しに際して必要な手続きについて解説します。留学や海外赴任の可能性がある人、海外への引越しを将来的に考えている人は、ぜひ参考にしてください。

海外へ引越しするときの流れ

海外へ引越しするときの流れ

海外へ引越しするときには、以下の流れで引越しの準備をします。大枠は国内引越しと大差ないものの、一部海外引越し特有の手続きが必要なシーンがあります。

  1. 見積もり
  2. 荷造り・梱包する
  3. 引越し・搬出
  4. 申告書の作成
  5. 通関
  6. 引越し・搬入

国内引越しと大きく異なるのは「申告書の作成」と「通関」です。申告書はテロの未然防止や密輸を防止する目的で必要な書類であり、海外渡航時の荷物に輸入禁制品や怪しいものはないことを申告するものです。

通関は、入国する国で課税対象になっているものがないかを確認することを指します。引越し荷物の場合は原則免税通関になりますが、国によっては課税対象になることもあります。また、以下の条件から外れると免税にならないケースもあるため注意してください。

  • 販売目的ではない、かつ個人で消費可能な範囲の荷物であること
  • 長期滞在可能な資格(ビザ)を取得すること(観光ビザは不可)
  • 入国後6ヶ月以内に荷物が到着していること

海外引越しの流れとしての違いは以上です。そのほかの料金をはじめとする各種違いは、行き先や引越し業者、荷物の輸送方法で変動します。

海外への引越しで利用される輸送方法

海外への引越しで利用される輸送方法

海外への引越しは、当然トラックではできません。荷物の輸送手段は次の3点のうちいずれかになります。

  • 航空便
  • 船便
  • 手荷物のみ

それぞれにメリット・デメリットがあるため、事前に覚えておきましょう。引越しの日程そのものにも関係する可能性もあるため、輸送方法を選択する際はじっくり検討して決定してください。

なお、荷物の量や引越し業者のプランによっては選択できない場合もあります。逆に、いくつかの方法を組み合わせた輸送も可能なときもあります。必ず確認するようにしましょう。

航空便

「海外への引越し」と言われてすぐに思いつくのが、航空便による輸送です。後述する船便と比較すると荷物輸送にかかる日数がかなり短く、1ヶ月分ほど短縮できる地域もあります。おおむね2週間程度とされていますが、航空便の都合と荷物の量によってはもう少し早く到着することもあります。少量の荷物の場合は、船便より航空便のほうが安くなることもポイントです。

反面、荷物の量が多いと割高になってしまうのがデメリット。船便と荷物を分ける方法もありますが、引越し業者のプランや渡航先によっては船便非対応のケースもあります。また航空機の荷室は、引越し業者の手を離れると雑に扱われることもしばしばあります。ダンボール内部の梱包をしっかりして、破損などに備えましょう。

船便

船便という方法もあります。航空便と比べると大きな荷物や重い荷物もリーズナブルに輸送することができます。どの引越し業者でも取り扱いのある輸送方法であり、基本的には世界中どこでも対応可能です。

ただし、航空便よりも日数がかかってしまう点には注意が必要です。北米地域への輸送で比較すると、航空便は10〜14日程度なのに対し、船便は40〜70日を目安としている引越し業者もあります。海上の天気にも左右されるため、渡航日まで期間がある場合に利用すると良いでしょう。

また、輸送にはコンテナを使用します。航空便同様、引越し業者よりも雑に荷物を扱われるケースも少なくはないため、しっかりと梱包しておくのがベストです。軽い荷物や少ない荷物は航空便のほうが料金が安いため、節約のためにとなんでもかんでも船便にするのも良くありません。

手荷物のみ

手荷物のみで海外に引越しする人も少なくありません。単身赴任や短期留学などで日本から荷物を別便で輸送しなくても、現地調達で何とかなる場合にこの方法が採用されます。本当に必要な荷物だけを厳選して持って行く必要があるものの、引越し先で荷物の受け取りなどを待たなくて良いメリットがあります。何よりも引越し業者の手を煩わせないため、費用面で大きな節約になるでしょう。

ただし、手荷物のなかには機内に持ち込めないものもあります。国際線の手荷物の基準は各航空会社によって異なりますが、液体類の持ち込みを厳しく制限している点は共通しています。また、手荷物で済ませようと大きなキャリーバッグやダンボールを持ち込もうとしても、サイズや重量の関係で断られたケースもあるようです。

渡航の際に利用する航空会社の規則に従って、手荷物を準備するようにしてください。どうしても現地調達できないが、手荷物では持ち込めない荷物は、航空便や船便を利用して運ぶほかありません。

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海外への引越しにかかる費用

海外への引越しにかかる費用

国内での引越しでも、それなりに費用がかかってしまう引越し。では、海外引越しの場合はどうなのでしょうか。海外引越しに関しては引越し業者各社がパック料金を設定していることがほとんどです。また、梱包を自分でするかしないかなどによっても料金に差が出ます。

ただし、利用できるのは単身者や荷物が少ない場合であり、家族での引越しや荷物が多い場合は見積もりが必要です。また、国内引越し同様に繁忙期と通常期があります。繁忙期になると引越し料金が高めになるため、引越し時期によっては高額になる可能性もあることを覚えておきましょう。

海外へ引越しする場合の費用

海外への引越し費用は、渡航先によって大きく異なります。目安としては日本から近い国のほうが安く、遠ければ遠いほど料金が高くなる寸法です。あくまで目安ですが、韓国までの引越し料金が20万円程度なのに対し、アメリカのニューヨークまでの引越しでは50万円前後になると思っておきましょう。

海外引越しの料金は、以下の計算式で算出されます。

海外引越しの費用=日本側の輸出料金+外国側の輸入料金+運賃等

日本国内のように運賃や人件費だけではどうにもできない輸出料金・輸入料金が発生します。先ほどのニューヨークの場合の内訳は、日本側の輸出料金が20万円、アメリカ側の輸入料金が10万円の計30万円。ダンボール50個を想定した場合ではあるものの、運賃以外の項目が非常に大きなウェイトを占めていることがわかります。

ちなみに、海外引越し専用のダンボールが存在しており、日本国内での引越しで使用するものとやや規格が異なります。詳細は以下のとおりです。ダンボールの代替品として、三辺の合計が170㎤以下、重量30kg以内のスーツケースも使用できることがあります。

■ 海外専用の代表的なダンボールサイズと容量

サイズ(cm) 耐荷重 荷物の目安
Sカートン 50×25×38 20kg 文庫本100冊
Mカートン 53×51×41 15kg セーター15着
Lカートン 79×52×27 15kg 背広10着

引越しに伴うそのほかの費用

海外引越しには、上記の費用以外にも発生するものがあります。こちらも渡航先や加入する保険会社などによって費用が異なるため、一概にいくらとは示すことができません。しかし、渡航にかかる費用として、以下のものがあるということを覚えておきましょう。

【引越しに伴うそのほかの費用】

  • 渡航費用
  • 保険
  • 空港税や関税
  • 予防接種代
  • ホテルなどの滞在費用
  • トランクルーム費用
  • チップ(国による)

日本ではなじみのないチップは、海外では文化として浸透しているものです。国にもよりますが、サービスを受けたことに対するお礼として渡すもので、用意しておいたほうが良いでしょう。

トランクルーム費用は例えば実家などに保管する場合は不要ですが、保管する場所をレンタルする必要がある人は別途用意しておかなければなりません。日本国内の引越しと違いやや多めにお金がかかるため、余裕を持った予算を立てておくことが重要です。

海外への引越しに必要な手続き

海外への引越しに必要な手続き

海外への引越しで必要な手続きや取得する書類には、以下のものがあります。

  • パスポート申請
  • ビザ申請
  • 海外転出届の提出
  • 国民年金・国民健康保険
  • 準確定申告
  • 住民税
  • 運転免許証
  • 予防接種
  • 在留届

数が多く、国内引越しよりも計画的に準備を進める必要があります。ものによっては申請が遅れると渡航日を遅らせざるを得なくなる可能性もあるため注意が必要です。

パスポート申請

海外赴任や留学をするにあたって、真っ先に必要なのがパスポートです。ビザ申請時はもちろん、通関の際にもコピーが必要になるなど、海外に行くうえでなくてはならないものの一つです。

住民票がある市区町村を管轄するパスポートセンターや市区町村役所の旅券課などで申請すれば2週間ほどで発行されます。なお、パスポートの申請には戸籍謄本(抄本)もしくは住民票の写し、規定サイズの写真と発行手数料が必要です。書類と写真はどちらも申請日の6ヶ月以内に取得(撮影)したもののみ使用できます。

パスポートの詳細については、住民票のある市区町村を管轄するパスポートセンターや旅券課、外務省のホームページを確認してください。

ビザ申請

引越しがかかわってくると言うことは、長期で渡航先に滞在することになるためビザの申請が必要です。入国目的によって取得するビザが異なり、どのビザが必要なのか確認しなければなりません。

申請に必要な種類などは入国先によって異なるものの、渡航先となる国の総領事や大使館に確認をすればどのような手続きを行うのかがわかります。一部の言語の申請書に関しては、外務省のホームページで公開されているため、それを使用して申請してください。

なお、ビザの発給条件は外務省への事前通告なしで変更される場合があります。渡航が決まった段階で、総領事や大使館で最新の情報を確認しましょう。

海外転出届の提出

国内引越しでも住民票を異動させるために必要な転居届、転出・転入届に該当するのが海外転出届です。各自治体の市区町村で申請でき、出国の14日前から出国当日までに申請する必要があります。1年以上日本を離れる場合に必要で、1年未満であればこの手続きは必要ありません。

転出届を提出することで、住民票が取得できなくなったり住民税はかからなくなったりします。また、国民年金や国民健康保険に関しても扱いが変わります。原則、申請者が手続きを行わなければなりませんが、委任状があれば代理人に申請してもらうことも可能です。

なお、海外転出届の提出時にはマイナンバーカード(個人番号カード)と住民基本台帳カードを返納しなければなりません。必ず持って行くようにしてください。

国民年金・国民健康保険

国民年金・国民健康保険の手続きも忘れてはいけません。先述の海外転出届を提出し、脱退の届出を国民健康保険課に提出し保険証を返納すれば脱退手続きは完了です。

国民年金についてもほぼ国民健康保険と同様ですが、任意加入という形で継続加入することもできます。国民年金への加入義務は海外転出届の提出でなくなるものの、海外在住中の病気やケガ・死亡に備えて年金を用意したい場合は任意加入を申し出ることによって継続可能です。納付方法は国内の親族が払う方法と、日本国内の預貯金口座から引き落とす方法の2種類があります。

会社勤めで厚生年金に加入しており、出向元から給与が一部ないし全額支給されている場合は、原則健康保険も厚生年金も継続して加入したままです。ただし、赴任先の国や滞在期間によって条件が異なります。詳しくは勤務先に確認してください。

準確定申告

会社を退職して海外移住する場合は準確定申告を行う必要があります。「準」とついているものの内容は普通の確定申告と同じで、移住する都市の出国前までの所得を申告するものです。準確定申告を行うと、申告から数ヶ月後に還付が受けられる可能性があるなど、従来の確定申告と同様の税制措置が適用されます。

必要な書類は源泉徴収票と退職後に支払った控除対象になるものの領収書、確定申告書と還付金を受け取る銀行口座情報です。手続きは出国前の住所を管轄する税務署になります。時期は出国前であればいつでも問題ありません。

ちなみに、通常の確定申告にあわせて申告を行う場合、納税管理人の選任が必要です。出国後に国内で家賃収入をはじめとする何らかの所得がある場合も選任しておくと良いでしょう、万が一申告内容に不備が出てきたりしても代理人として修正申告できます。出国後に日本国内で所得が発生しない場合は納税管理人の届出は必要ありません。

住民税

住民税については、出国した年の1月1日に住民票があった住所に納税通知書が郵送されます。基本的には1月1日以降、日本国内に住所があった場合は住民税の支払い義務が生じます。つまり、海外に引越しをしたからと言って、住民税を払わなくて良いとはなりません。

しかし、納税通知書が届くまでに海外転出している場合もあるでしょう。その場合は納税通知書を受け取り、納税を行う納税管理人の届出を行わなければなりません。届出は自治体のホームページや課税課窓口でもらえます。必要事項を記入のうえ、窓口へ提出してください。郵送での提出も認められています。

もし納税管理人の届出が行われなかった場合は、市区町村が該当者の家族関係を調査し、納税管理人になりうる人物を探します。そのうえで適切な人間がいないと判断された場合は「公示送達」と呼ばれる送達が行われ、以降納税期限を過ぎると延滞税が発生する措置が取られる可能性もあります。出国前には必ず納税管理人の選任と届出を行ってください。

運転免許証

運転免許証は、出国前の更新が特例で可能になっています。また、運転免許証の有効期限失効から3年以内であれば、帰国後1ヶ月以内の免許再取得に限り学科試験と技能試験が免除される特例制度が設けられています。失効していた期間も継続して免許を受けていた期間とみなされるため、それまでの免許保有期間と合わせて優良運転者、もしくは一般運転者とみなされるのです。

海外への引越しにともなって、国際運転免許証(法律上は国外運転免許証)への切り替えも可能です。日本国内で一時滞在していた地域を住所地として、そこを管轄する公安員会に申請することで発行できます。その際には一時滞在先(実家など)の住所を証明する書類や顔写真が必要です。

予防接種

渡航する国によって異なりますが、入国時に予防接種証明書が必要な国があります。また、入国には関係なかったとしても、自己防衛のために予防接種を希望する人もいるでしょう。厚生労働省検疫所が公開している海外渡航者向けワクチン接種検疫リスト、もしくは予防接種機関データベースを利用して、予防接種が受けられる医療機関を探しましょう。

予防接種での予防が期待できるとされている病気は次のとおりです。

  • 黄熱
  • A型肝炎
  • B型肝炎
  • 破傷風
  • 狂犬病
  • ポリオ
  • 日本脳炎
  • 麻疹風疹
  • 髄膜炎菌

地域ごとに検討すべき予防接種に関しては、厚生労働省検疫所のホームページをご確認ください。

在留届

3ヶ月以上海外渡航する場合に必要で、万が一のことがあった場合に役立つのが在留届です。事件や事故に巻き込まれた際に、現地の日本国大使館や総領事館が所在地や緊急連絡先を把握するために使用する書類のことです。提出は3ヶ月以上の渡航の場合に義務付けられており、海外渡航後に最寄りの日本国大使館・総領事館に提出します。

もし提出を怠ると、万が一事件や事故、大災害に巻き込まれた場合の連絡手段がなくなってしまう可能性があります。また、海外在住中に住所変更や連絡先変更が起きて放置した場合も、同様に緊急連絡先情報としての効力がなくなってしまうため注意が必要です。

提出する書類は外務省のホームページからダウンロードできます。変更事項があった場合に提出する書類も、同じページから変更届のダウンロードが可能です。

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海外へ引越しをする際の注意点

海外へ引越しをする際の注意点

海外へ引越しをする際、以下の3点に注意してください。

  • 海外へ送れない荷物がある
  • 引越し業者選びは慎重に行う
  • 海外へ持って行く荷物は最小限にする

海外引越しで損をしない、トラブルに発展しないために必要なポイントです。ぜひ押さえておきましょう。

海外へ送れない荷物がある

関税法やその他法令によって定められている規定によって、海外へ送ることができない、もしくは数量に制限がかかっている荷物が存在します。引越しはもちろんのこと、移住後に日本から国際郵便で送ることもできないものは次のとおりです。

【海外へ送ることができない品物例】

  • 鉄砲刀剣類
  • 生鮮食品
  • 花火
  • 麻薬
  • 児童ポルノ

また、送付先の国によって輸入規制を受ける品物もあります。クロネコヤマトの国際宅急便国別ガイド日本通運のホームページで詳細に説明されています。参考にしてください。

引越し業者選びは慎重に行う

海外への引越しに対して専用のプランを設けていたり、海外引越しを専門としていたりする業者もあります。通関手続きの代行をはじめ、専用の梱包資材などで海外引越しのトータルサポートをしてくれるのも魅力的です。

このとき、引越し業者は料金のほかにも現地サポートがあるかどうかで判断しましょう。多くの海外引越し対応可能な引越し業者は、海外の現地法人や提携する運送会社を持っているため、荷解きまでやってくれることもあります。しかし、料金だけで選ぶと現地サポートがない場合も少なくありません。料金に加えて現地でのサポートが受けられるかどうかでも判断してください。

海外へ持っていく荷物は最小限にする

海外への引越しでは、前述のとおり航空便か船便による輸送になります。荷物が多いとどちらの輸送方法を利用しても運賃が高額になることも珍しくありません。そのため、現地調達できるものは持っていかないという選択を取ることで、大幅な引越し費用削減につながります。

とくに家電製品に関しては、電圧の違いから日本国内で購入したものが使用できないこともあります。家電製品に関しては移住先の国で購入すればこのようなトラブルは起きません。できる限り現地調達する方針にし、持って行く荷物は最小限に抑えましょう。

まとめ

海外への引越しは、準備から手続き、流れまで非常に複雑です。留学や海外赴任で長期に渡って滞在する場合は、本記事で解説した手続きなどをクリアしつつ、引越しの準備を進めましょう。

異国の地での新生活を気持ちよく開始できるように、あらかじめ準備を進めておくと良いかもしれません。海外での新生活が始まるまで大変ですが、トラブルがないように申請や準備をしておきましょう。