引越しのときにエアコンはどうすれば良い?買い替えのポイントや処分方法を解説!

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summary
  • 引越し時のエアコンの取り外し・取り付け作業は引越し業者に依頼しましょう
  • 取り外し・取り付けの専門業者に依頼する方が割安ですが別途運搬の手配が必要になります
  • 引越しの機会にエアコンの掃除や買い替えもおすすめです

引越しでは部屋のエアコンをどうするかを考えなければなりません。エアコンは本体と室外機があったり、配線が複雑だったりするため、素人では扱うことが難しく、引越しの際に戸惑う方も多いです。この記事を参考に、エアコンの撤去方法や買い替えのポイント、処分方法について理解を深めましょう。

引越しの際のエアコンの撤去

引越しで家を退去する際、基本的に賃貸物件では入居後に自分で設置したエアコンを設置したままにしておくことができません。残しておくと原状回復できていないことになりトラブルに繋がる恐れがあります。また、エアコンの取り外し作業は素人には難しいうえに危険ため、無理に自力で外そうとせずに専門業者に依頼したほうが良いでしょう。

自分が設置した場合は撤去が必要

賃貸物件の借主には退去時の原状回復義務があり、可能な限り借りた時点の状態に戻さなくてはなりません。そのため、賃貸物件から退去するときは自分で設置したエアコンを撤去してから退去する必要があります。なお、入居した時点で、物件の設備としてエアコンが設置されていたのであればそのまま退去して問題ありません。

撤去したエアコンは新居に持っていくか処分します。新居にエアコンを持っていけない場合は撤去作業の前に貸主や管理会社に相談してみるのもよいでしょう。エアコンを引き取ってもらえれば、処分費用を節約できるかもしれません。

エアコンを取り外すのは素人には難しい

専門知識がない場合、エアコンの取り外しは自分でやろうとしない方がよいでしょう。エアコンは物件ごとに配管の位置が異なり、また機種によってエアコン本体や室外機の外し方が違います。無理に動かすことで配管接続にトラブルが生じ、冷却用のガスが漏れるなど故障の原因にもなりかねません。さらに、エアコン・室外機ともに重量もあるため、自分で持とうとしてけがをする可能性もあります。エアコンの取り外しは原則として専門業者に任せるものと考えましょう。     エアコンの引越しは専門業者だけではなく、引越し業者に依頼することもできます。業者に頼む場合には、エアコンや室外機の取り外し・運搬・取り付け費用、その他オプション工事応じて追加費用が発生します。専門業者と引越し業者では、サービス内容が異なっているので注意しましょう。     専門業者は取り外しと取り付けを行いますが、基本的に運搬は対応していません。運搬サービスを行っている業者もありますが、移動距離に応じて約2,000円~別途料金が発生する場合や、遠距離の運搬は受け付けていない場合が多いです。一方で、引越し業者はほかの家具の引越しと同時に取り外し、運搬、取り付けを行います。それだけに専門業者と比べると料金は高くなります。    

引越し業者に依頼するメリット・デメリット

エアコンの移設を引越し業者に頼む場合は、エアコンの工事を追加で依頼します。多くの引越し業者はオプションプランを用意しています。引越し協同組合や中小企業は会社内の作業員が工事を行うこともありますが、多くの引越し業者はエアコン専門業者に下請けを委託しており、実際の工事は委託先の専門業者が行います。引越し業者に依頼を検討している場合は、見積りの際に担当者に相談してみましょう。

引越し業者に頼むメリットは、「引越しと同時に依頼できるので手間がかからない」「取り外し、運搬、取り付けを一貫して任せられる」「引越しと同日にエアコンの移設ができる」などがあります。

デメリットとしては、「下請けの電気屋を仲介する手数料が含まれるため料金が高い」、「引っ越し業者の仲介を挟むため下請け業者と齟齬が生じる可能性があり、見積り金額と実際の請求額が異なるなどの追加料金に関するトラブルが起こるかもしれない」「繁忙期はエアコン移設オプションを受け付けていないこともある」などが挙げられます。

専門業者に依頼するメリット・デメリット

費用を少しでもおさえたい場合や、移設を頼む際に業者と直接話し合いたい場合は、専門業者を利用する方法があります。エアコンの移設を専門業者に依頼する場合は、引越し業者とは別に自分で専門業者に依頼する必要があります。

 専門業者に依頼するメリットとしては、プロと直接話し合って見積りが取れるので心配なく任せられる、エアコンの運搬作業がないため料金が安いなどが挙げられます。

デメリットとしては、サービス内容が取り外し・取り付けのみの業者が多く、エアコンの運搬を引越し業者に別に頼む必要がある、引越しに合わせて専門業者と日程調整をしなければならない、県をまたいだ引越しの場合は取り外しと取り付けをそれぞれ別の業者に頼む必要があることなどです。取り外しと取り付け作業を同じ業者に取り外しと取り付けを頼むことが、専門業者を利用する際の最も安心な方法です。しかし、県外へ引越しする場合は業者の対象外の地域になる場合が多く、同じ業者を利用できないことに注意しましょう。県外への引越しでは、取り外しと取り付けをそれぞれ別の業者に依頼する必要があります。また、基本的に運搬作業が含まれないため、エアコンの運搬のみ引越し業者に頼むことになります。

エアコンの引越しにかかる費用相場

エアコンの移設作業を引越し業者に依頼する場合と、専門業者に依頼する場合では費用相場が異なり、一般的に引越し業者に依頼する方が料金が高い傾向があります。

引越し業者に頼む場合の相場は、約15,000~25,000円です。

専門業者に依頼する場合の相場は、取り外し約5,500~11,000円、取り付け約12,000円となります。また取り外しと取り付けをセットで依頼する場合、相場は約9,000~23,000円となります。ほとんどの専門業者が運搬のサービスには対応していないため、専門業者に依頼する場合は、運搬について事前に必ず確認をしましょう。県外へ引越しする際は、取り外しと取り付けを同じ業者に依頼できないことが多いので注意が必要です。

取り外し 取り付け 運搬
引越し業者 約15,000~25,000円
専門業者 約5,500~11,000円 約12,000円 基本的には対応していない
取り外し、取り付けを併せて依頼する場合
約9,000円~23,000円

また、工事の過程で通常の方法では取り外し・取り付けができず、電圧の変換工事やコンセントの交換、配管パイプの交換、冷媒ガスの補充などのオプション工事が必要だと判明すると、追加料金が発生します。そのため、実際の請求額が見積り額よりも高くなり、トラブルに発展することもあります。これらオプションの追加料金の相場は、電圧の変換工事約5,500円、コンセントの交換約3,700円~、配管パイプの交換1mあたり約2,300円、     冷媒ガスの補充約15,200円~となります。業者とのトラブルを避けるために、追加料金については事前に確認をしましょう。

エアコン フィルター

引越しを機にエアコンを掃除する

引越しの機会に、エアコンの掃除をすると良いでしょう。家庭でエアコン掃除をする場合は、フィルター掃除がおすすめです。フィルター掃除をすると、きれいな空気になるだけではなく、風量が強くなるため電気代の節約にもなります。家庭にあるもので簡単にできるフィルターの掃除方法を紹介します。

用意するものは以下のとおりです。

  • 雑巾
  • 掃除機
  • 毛先が柔らかい歯ブラシ
  • タオル2枚
  • 台所洗剤

手順を説明します。

1. 電源プラグを抜く|感電防止のため作業前に必ず電源プラグを抜きましょう。
2. 雑巾で化粧カバー表面のホコリを拭く|カバーを取り外す前にエアコンの化粧カバー表面を拭き、この後の作業でホコリが舞うことを防ぎます。
3. フロントカバーを取り外す|エアコンの種類によって異なりますが、フロントカバーの最下部の両端にロック解除ボタンが付いています。ボタンがない場合は、カバーの下部を引くと開けられます。
4. 掃除機でフィルターのホコリを吸う|掃除機でフィルターのホコリを吸い取ります。フィルターのホコリが少量の場合や、掃除機が重く持ち上げることが難しい場合は省いても問題ありません。
5. フィルターを取り外す|ホコリが落ちてくる可能性があるので、丁寧に取り外しましょう。
6. 掃除機でフィルターの表面からホコリを吸う|床に新聞紙を広げ、フィルターを置きます。掃除機をフィルターの表からあてることで、ホコリがフィルターの目に詰まるのを防げます。
7. フィルターの裏面を水洗い|掃除機で吸った面の反対側の面から水で流します。表面から水を流すと、ホコリがフィルターに押し込められてしまうので、裏面から水をあてるように注意しましょう。
8. 古い歯ブラシなどを使って細かい汚れを落とす|なかなか落ちない汚れは、歯ブラシと台所用洗剤を薄めて使い、優しく擦って落とします。
9. タオルで拭き干して乾燥させる|2枚のタオルを使い、フィルターを挟んでしっかりと拭きます。フィルターを立てかけ、完全に乾いたら、フィルター掃除は完了です。

さらにエアコンをきれいにしたい場合や汚れがひどい場合は、業者に頼むと良いでしょう。普段は壁に取り付けたまま洗浄を行いますが、引越しのタイミングでは壁から取り外して掃除をする分解洗浄も可能です。

エアコンのクリー二ング作業は、引越し業者と専門業者どちらにもオプションサービスとして依頼できます。作業時間は、エアコンを壁につけたまま行う壁掛け洗浄の場合はおよそ1~2時間で、取り外して行う分解洗浄の場合は約1週間~10日間ほどで完了します。料金相場は壁掛け洗浄の場合は約8,000円~12,000円で、分解洗浄は約25,000円ほどです。エアコンの機能によって料金が異なるので、掃除を依頼する際に問い合わせましょう。

エアコンを買い替えた方がお得な場合

エアコンは安いものではないため、新居でも同じものを使い続けたいという人も多いでしょう。しかし、場合によっては引越しを機に買い替えた方がお得になることもあります。以下のような場合は、エアコンの買い替えを検討してみるのも良いでしょう。

10年近く同じエアコンを利用している

一般的にエアコンの寿命は10年程度といわれており、10年以上使い続けると部品の損耗で故障しやすくなります。そのため、引越しの時点で10年近く同じエアコンを使っている場合は、輸送や設置費を考えると新居に持っていくよりも買い替えた方がお得かもしれません。また、時代とともにエアコンの性能は向上し、より省エネルギーな製品に進化しています。例えば、スマホを使った遠隔操作機能や電力の無駄を省くAI機能などが付いたエアコンが発売されています。新しいモデルに買い替えることで電気代の節約にも一役買ってくれるでしょう。

エアコンが古く、省エネ機能が付いていない

今使っているエアコンが古く、省エネ機能が付いていない場合は、省エネ機能付きのエアコンへ買い替えも検討してみてはいかがでしょうか。

  • 省エネ機能付きのエアコンとは?

エアコンの省エネ機能については、省エネ基準達成率とAPFと呼ばれる通年エネルギー消費効率によって定められています。省エネ基準達成率とは、決められた省エネ性能基準をどのくらい達成したかを表している数値です。この数値はエアコンに記載されている統一省エネラベルの星の数で確認でき、星が多いほど省エネ性能基準の達成率が高いことを示します。

APFとはエアコンを一定の条件で使用した場合の、1kWあたりのエアコンのエネルギー性能を表します。この数値が高いほど、省エネ性能が高いエアコンだと言えます。省エネエアコンを買う際は、省エネ基準達成率とAPFの両方を考慮して選びましょう。

▪どれだけ節約になるのか

10年前のエアコンと2020年最新モデルのエアコンを比較してみましょう。大手メーカーの同じシリーズ、11~17畳向けエアコンの2008年版と2020年版を比べます。

27度で冷房を135日間使用、20度で暖房を160日間1日18時間使用した場合の消費電力と電気代は、下記のとおりになります。

冷房能力冷房消費電力期間消費電力年間電気代
20084kW900W約1,400kWh約35,000円
20204kW880W約1,000kWh約28,000円

2020年版エアコンの電気代は、2008年版と比較すると約7,000円安くなります。設定温度が低いほど、エアコンにかかる電気代は高くなります。よって、温度を低く設定している場合はこの計算よりも大幅に節約できると考えられます。

部屋の大きさが変わる

新居の広さが旧居と大きく変わる場合、今使っているエアコンでは性能を十分に発揮できないかもしれません。エアコンは機種ごとに対応している部屋の大きさが異なります。特に、エアコンの対応畳数よりも広い部屋で使用すると、パワーが足りずに効きが悪く感じられるだけでなく、電気代も余計にかかるという問題が生じます。また、常にフルパワーで稼働するため、エアコンの寿命にも影響するかもしれません。エアコンを使用する際はなるべく部屋の大きさに合わせたものを使うことが大切です。

エアコンが対応している広さは、物件が木造か鉄筋コンクリート造りかでも変わります。一般的にエアコンは木造の家だと効きづらくなるため、たとえば「6畳~10畳」というように対応畳数に幅がある場合は、狭い方の数字を当てはめて考えるとよいでしょう。

その他のエアコンの買い替えサイン

ほかにも、購入から数年たったエアコンを使用していて、「効きが悪くなった」「異常音がする」「出てくる風からの異臭がする」などと感じた場合は、エアコンの寿命が近づいている可能性があります。下記のチェックリストを参考に、エアコンの買い替えを検討しましょう。    

エアコン買い替えチェックリスト

・10年以上同じエアコンを使用している

・エアコンが古く、省エネ機能が付いていない

・旧居と新居で部屋の大きさが変わる

・風力の低下など性能が落ちる

・異常音がする

・出てくる風から異臭がする

・室内機が水漏れしている

・電源が付かない

エアコンの買い替えは8月からがおすすめ

エアコンは時期によって値段が変動します。エアコンは夏に向けて売り上げが伸びる傾向があります。そのため、夏場のエアコン需要のピークが過ぎた8月以降は、在庫処分のため値段を下げて販売します。よって、エアコンを安く購入するには8月以降がおすすめです。さらに価格を安くおさえたいのなら、型落ち品がおすすめです。上位モデルは10~11月頃、安価モデルは3月頃モデルチェンジするので、モデルチェンジの時期を見計らって旧型モデルを購入するのも、エアコンを安く購入する方法の一つです。

また、家電量販店などが決算セールを行う3月も安く購入する狙い目です。多くの家電量販店は、3月に決算セールを行うため家電を安く手に入れることができます。

エアコンの処分方法

エアコンは正しい手順を踏んで処分しないと有害物質の発生や火災の危険があるため、「家電リサイクル法」で処分方法が厳しく定められています。そのため、一般的な家電のように粗大ごみとしては出せず、エアコン購入時に購入店舗に引き取ってもらうか、買取業者に依頼するなどの処分方法が求められます。

新しいエアコンを購入する店に引き取りを依頼する

最も簡単な処分方法は、エアコンを新たに購入した際に購入店舗に古いエアコンを引き取ってもらうことです。一般的な家電量販店やエアコンを販売している小売店ならば、エアコンを引き取り適切に処分してくれます。

エアコンのリサイクル料金は主な大手メーカー製品で税込990円若しくは2,000円(2021年9月現在)ですが、メーカーや機種によって例外があるので確認が必要です。これに加え、店舗によっては別途運搬料がかかります。新しいエアコンの購入と同時に引き取り依頼をすれば運搬料が安くなることが多いので、直接店舗に確認すると安心でしょう。

買取業者に依頼する

使わなくなった家電を買い取ってくれる業者に依頼する方法もあります。エアコンを購入した家電量販店・小売店が遠方にある場合や、新たなエアコンを購入せず古いエアコンの処分だけしたい場合に便利な方法です。家電の買取専門業者なら付け外しも任せられますし、使用歴の浅い製品であればある程度の金額で買い取ってもらえます。ただし業者やエアコンの機種によっては有料での引き取りになる可能性もあるので、スムーズな引越しのためにも早めに予約や概算見積りを済ませておきましょう。

家電リサイクル受付センターへ処分を依頼する

自治体、または家電リサイクル受付センターのサイトで処分の依頼ができます。

東京23区内の場合は「家電リサイクル受付センター」に問合せた上で、指定引取場所へ自分で持ち込むか家電リサイクル受付センターに回収の申込みをします。費用はリサイクル料金と収集運搬料金がかかりますが、持込みの場合は、収集運搬料金は不要です。

ただし家電リサイクルに対応しているのは、エアコン本体と室外機とリモコンだけという事です。エアコン本体・室外機を外すと様々な資材がありますが、ドレンパイプ、配管パイプ、配管カバー(スリムダクト等)などの工事部材、室外機の置き台及び屋根などは家電リサイクルの対象になりません。

これらは別途資材ごとに分類して、不燃ごみや粗大ごみとして出す必要があるので注意しましょう。

友人や親戚に譲渡する

エアコンは中古であっても状態によっては友人や親戚などの知人がもらってくれる可能性があります。知人や親戚に譲渡するメリットはリサイクル料金や家電リサイクル券が必要ないため、費用をおさえられることです。譲り受けてくれる人がいるのなら、エアコンの譲渡もおすすめです。

知人にエアコンを譲る場合でも取り外しは専門の業者に依頼しましょう。取り外し後はそのまま譲渡先の家に運び取り付け工事となるため、譲渡先との日程調整が必要です。

エアコンの取り外し・取付けにかかる費用についてはこちらの記事をご覧ください。

残置物としてエアコンを物件に残す

エアコンは新居への持参も旧居での処分も手間がかかります。引越しで慌ただしくエアコンの処分が間に合わなかったという方や、「次の入居者が使うかもしれない」と考えエアコンを旧居に置いていきたいと思う方もいるでしょう。しかし、無断でエアコンを旧居に置いていくのはトラブルの原因になる可能性があります。もちろん貸主の許可があれば置いていっても問題ありませんが、引越しの際に残されたエアコンは「残置物」とされ、一般的な物件の設備とは扱いが異なります。残置物の扱いについては貸主だけでなく借主にも一定の知識と理解が必要です。

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残置物とは

賃貸物件を退去する借主が物件内に残していった私物のことです。エアコンのほかにガスコンロや冷蔵庫、温水洗浄便座などが残置物扱いになり、最初からついていた物件の設備とは扱いが異なります。

残置物を置いていくには貸主の許可が必要

賃貸物件を退去する際、借主には物件の原状回復義務が発生します。入居後に持ち込んだ私物は退去にあわせて撤去する義務があり、原則として残置物を残すことはできません。しかし、貸主が不用品の残置を認めれば置いていけるケースもあります。この場合は退去する借主から貸主に残置するものを譲渡された扱いになり、残置物が貸主の所有物として扱われることになるのです。もし貸主に何も言わずエアコンを置いていくと、エアコンの所有権が貸主に移ったことがいつまでもはっきりとせず、貸主の迷惑になります。

残置物のエアコンで迷惑をかけることも

基本的に、物件に残置物がある場合は契約時に説明されますが、まれに説明が不十分で残置物なのか設備なのかはっきりとわからないことがあります。設備に対しては貸主に修繕義務がありますが、残置物は貸主に所有権がある場合と入居者に所有権がある場合があります。一般的には所有権のある方に修繕義務が課されますが、残置物ではその背景と法律知識をもって所有権の所在を判断しなければならならず、貸主と借主両方の悩みの種となる可能性があります。賃貸物件に最初からついているエアコンは「建物と一体になって貸し出されている」とみなされることが多いものの、賃貸契約を結ぶ際に「修繕義務は借主にあります」等の説明がされていることもあります。借主がそれを忘れ修繕義務責任の所在を貸主と争うトラブルに発展するケースもあるようなので、迷惑になりそうな残置物は残さないようにしましょう。

エアコンの設置で造作買取請求ができる?

借主が最新のエアコンを取り付けた場合、その賃貸物件の住み心地は良くなり、物件価値が上がったと判断されるかもしれません。このようなプラスの効果のある設備の付加を「造作」と言います。貸主の買取についての同意があり、賃貸契約書に「造作買取請求を認める」といった内容の記載があれば、退去時にエアコンを買い取ってもらえることもあります。ただし造作買取はしばしば退去時にトラブルに発展するため、多くの賃貸契約書では「造作買取請求を認めない」という内容になっているようです。原則、賃貸物件では原状回復義務があると考えて良いでしょう。

まとめ

エアコンは自分での取り付け・取り外しが難しく、また家電リサイクル法の対象製品であることから処分にお金と手間がかかります。引越しが決まったら早いうちにエアコンの処分方法を検討し、できるだけ費用のかからない自分に適した方法を選びましょう。